海賊の世界史 – 古代ギリシアから大航海時代、現代ソマリアまで
古代ギリシアのヘロドトスは海賊たちを英雄とみなし、ローマのキケロは「人類の敵」と罵倒した。スペインとオスマン帝国が激突したレパントの海戦の主役は海賊であり、大英帝国を裏面から支えたのもカリブ海に跋扈するバッカニア海賊だった。19世紀、欧米の覇権主義で海賊は滅びたが、現代のソマリア海賊として甦る。キリスト教とイスラームの対立、力と正義の相克など、多様な視座で読み解く、もう一つの世界史。
本書では古代から現代までの、英雄としての海賊、略奪者としての海賊、征服者としての海賊、信仰者としての海賊、復讐者としての海賊、野心家としての海賊、冒険者としての海賊、事業者としての海賊、自由人としての海賊等々、それぞれの時代のいろんな海賊の姿に注目して、世界史の歩みをたどっている。
また、海賊が時代によってつくられたという面だけでなく、海賊がいかに歴史に影響を及ぼしてきたのかを、裏面史として海賊の存在をとおした世界史を読み解いている。
それぞれに時代に、どのような海賊が存在し、人々は海賊をどのように見なしていたのか、そして、海賊という存在がどのように世界史を動かしたのかを探っている。